MENU

葉酸サプリはいつから飲む?

妊活前〜産後まで、時期別の飲み始めタイミングを助産師が徹底解説

監修:助産師・認定遺伝カウンセラー(なっち) 産婦人科・助産院で200人以上の出産をサポートしてきた経験をもとに、医学的根拠に基づいた正確な情報をお届けします。

「葉酸サプリって、妊娠してから飲み始めればいいの?」「まだ妊活を始めたばかりだから、もう少し先でもいいかな…」

このようにお考えの方に、最初にはっきりお伝えしたいことがあります。

葉酸サプリは、妊娠を意識したその日から飲み始めるのが正解です。 妊娠が判明してから飲み始めるのでは、赤ちゃんの最も大切な発育時期に間に合わない可能性があります。

これは決して脅しではなく、厚生労働省・日本産婦人科学会・WHOなど、世界中の医療機関が一致して推奨していることです。

この記事では、葉酸の役割から始まり、妊活中・妊娠初期・妊娠中後期・産後という各ステージに合わせた「いつから・どれだけ・どう飲むか」を、助産師の立場からわかりやすく解説します。ぜひ最後までお読みください。

目次

葉酸とは何か?赤ちゃんへの役割をわかりやすく解説

葉酸(ようさん)はビタミンB群の一種(ビタミンB9)で、水に溶ける水溶性ビタミンです。
「葉酸」という名前は、ほうれん草などの葉から発見されたことに由来しています。

葉酸には、私たちの体の中で主に次のような働きがあります。

葉酸の働き
  • 細胞分裂・DNA合成のサポート(すべての細胞に必要)
  • 赤血球の生成を助ける(貧血予防)
  • 胎児の神経管・脳・脊髄の正常な発育を促す
  • ホモシステインの代謝(動脈硬化リスクの低減)

特に妊娠中は、赤ちゃんの細胞が猛烈なスピードで分裂・増殖するため、葉酸の需要が通常よりもはるかに高くなります。
そのため妊娠中の葉酸不足は、赤ちゃんの発育に重大な影響を与えるリスクがあるのです。

なぜ「妊娠前から」飲む必要があるのか?

神経管閉鎖不全症とは

葉酸摂取が特に重要な理由として、「神経管閉鎖不全症(しんけいかんへいさふぜんしょう)」のリスク低減が挙げられます。

神経管とは、赤ちゃんの脳や脊髄(せきずい)のもとになる組織のことです。この神経管は、受精後わずか28日前後という非常に早い時期に閉じる必要があります。

重要:妊娠46週は「妊娠に気づく前」のことが多い 最終月経から数えると「妊娠4週〜6週」ですが、多くの方が妊娠に気づくのはこの後です。気づいてから飲み始めても、神経管形成の最重要期に間に合わない可能性があります。

神経管が正常に閉じなかった場合、「二分脊椎(にぶんせきつい)」や「無脳症(むのうしょう)」などの先天性疾患が起こる可能性があります。これらは赤ちゃんの一生に関わる重大な障害です。

葉酸でリスクを約70%低減できる

葉酸を妊娠前から十分に摂取することで、神経管閉鎖不全症の発症リスクを約50〜70%低減できると複数の研究で報告されています。

厚生労働省はこの研究結果をもとに、2000年から「妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性のある女性はサプリメントから1日400μgの葉酸を摂取することが望まれる」と明確に推奨しています。

厚生労働省の通知(2000年〜) 「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために、妊娠を計画している女性は、妊娠前から通常の食品以外の食品(サプリメント等)から、1日400μgの葉酸(モノグルタミン酸型)を摂取することが望まれる」

体内の葉酸濃度が高まるまでに時間がかかる

もう一つの理由として、サプリメントを飲み始めてから体内の葉酸濃度が十分なレベルに達するまでに、1〜3ヶ月程度かかると言われています。

妊娠が判明した時点(多くの場合、妊娠5〜6週頃)から飲み始めても、最重要期には体内の葉酸濃度が不十分な可能性があります。だからこそ、妊娠を意識したらすぐに開始することが大切なのです。

時期別|葉酸サプリの飲み始めタイミング完全ガイド

【妊活中・妊娠前】妊娠を望んだらすぐ始める

推奨摂取量:サプリメントから400μg/

最も理想的なタイミングは「妊娠したいと思ったその日」から始めることです。妊活を開始したと同時に葉酸サプリも始めることで、妊娠が成立した際に体内の葉酸濃度が十分な状態を保てます。

また、妊活中は精神的・身体的なストレスがかかりやすい時期でもあります。葉酸はストレスへの耐性を高めるビタミンB群の一種でもあるため、妊活中から摂取することには複合的なメリットがあります。

妊活中に選ぶべきサプリのポイント

  • モノグルタミン酸型葉酸が400μg以上配合されているもの
  • 鉄分・カルシウム・ビタミンDなども配合された総合タイプ
  • 無添加・オーガニック素材で安心して飲み続けられるもの

【妊娠初期(〜妊娠12週)】最重要期!飲んでいなければ今すぐ開始

推奨摂取量:サプリメントから400μg/日(最重要期)

妊娠が判明した方は、まだ葉酸サプリを飲んでいなければ今すぐ開始しましょう。すでに飲んでいる方はそのまま継続してください。

妊娠初期(特に4〜12週)は、赤ちゃんの神経管・脳・心臓・消化器など、主要な器官がつくられる時期です。この時期は何より葉酸の安定した摂取が最優先です。

つわりで飲めない場合の対処法

妊娠初期はつわりがひどく、サプリを飲むのがつらいという方も多くいます。その場合は以下の方法を試してみてください。

葉酸を飲みやすくする工夫
  • 空腹時ではなく、少し食べた後に飲む
  • 小粒・ソフトカプセルタイプに変える
  • ゼリータイプ・グミタイプの葉酸サプリに変更する
  • 一度に飲めなければ、1日2回に分けて飲む

それでも難しい場合は、主治医・助産師に相談してください。処方薬として対応できる場合もあります。

【妊娠中期〜後期(13週〜)】神経管形成後も継続が必要

推奨付加量:240μg/日(食事からの葉酸に加えて)

「妊娠12週を過ぎたら神経管は閉じたし、もう葉酸はいらないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、それは誤解です。

妊娠中後期も、葉酸は引き続き次の目的で必要です。

中期以降も葉酸が必要な理由
  • 赤ちゃんの継続的な細胞分裂・発育のサポート
  • 妊娠中の貧血(葉酸欠乏性貧血)の予防
  • 胎盤の健全な維持
  • ママ自身の体調維持

妊娠中後期の推奨摂取量は初期よりやや少なくなりますが、完全にやめてしまうことは推奨されません。

産婦人科の処方鉄剤に葉酸が含まれていることも多いので、主治医と相談しながら継続しましょう。

【産後・授乳中】母乳で赤ちゃんに届ける大切な栄養素

推奨付加量:100μg/日(授乳中)

出産後も、授乳中のママには葉酸が必要です。母乳には多くの栄養素が含まれており、葉酸もその一つ。ママが葉酸不足になると、母乳中の葉酸量が減少し、赤ちゃんの発育に影響する可能性があります。

産後のサプリは、葉酸単体よりも鉄分・カルシウム・DHA・ビタミンDなども補える産後向けの総合サプリへ切り替えることをおすすめします。産後のダメージを受けた体の回復にも、これらの栄養素が役立ちます。

時期別・1日に必要な葉酸の摂取量まとめ

時期推奨摂取量(目安)ポイント
妊活中(妊娠前)サプリから400μg/日1〜3ヶ月前から開始が理想
妊娠初期(〜12週)サプリから400μg/日神経管形成の最重要期
妊娠中期〜後期付加量240μg/日貧血・発育サポートに継続
産後・授乳中付加量100μg/日母乳を通じて赤ちゃんへ

※上記は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとにした目安です。双子妊娠や貧血傾向がある場合など、個人の状況によって必要量は異なります。必ず主治医・助産師に相談のうえ、指示に従ってください。

食事だけでは足りない理由|サプリが必要な根拠

食品中の葉酸は吸収率が低い

「バランスの良い食事をしていれば、サプリは必要ないのでは?」と考える方もいますが、葉酸に関しては話が異なります。

食品中に含まれる葉酸は「ポリグルタミン酸型」と呼ばれる形態で存在しており、体への吸収率はおよそ50〜60%にとどまります。一方、サプリメントに含まれる「モノグルタミン酸型(プテロイルモノグルタミン酸型)」の葉酸は吸収率が約85〜95%と非常に高く、安定して体に届きます。

調理によって大幅に失われる

葉酸は熱・光・水に弱い性質を持つビタミンです。たとえば、ほうれん草を茹でると葉酸は50〜80%が失われるという研究もあります。電子レンジ加熱でも20〜30%程度失われます。

食事から十分な葉酸を摂取するには、毎日大量の生野菜を食べ続ける必要がありますが、それを継続するのは現実的ではありません。

葉酸を多く含む食品リスト

食品(100gあたり)葉酸含有量の目安
鶏レバー約1300μg
枝豆(冷凍)約320μg
ブロッコリー(生)約210μg
ほうれん草(生)約210μg
アスパラガス(生)約190μg
納豆(1パック50g)約60μg

たとえば1日400μgをほうれん草から摂ろうとすると、生のほうれん草を約190g(大束の半分以上)毎日食べる必要があります。さらに調理による損失を考えると、食事だけで必要量を確保するのはほぼ不可能に近いと言えます。

結論:食事+サプリで確実に摂取する 葉酸を多く含む食品を意識しながら、サプリメントで不足分をしっかり補う「食事+サプリ」の組み合わせが最も確実で現実的な方法です。

葉酸サプリの選び方|押さえるべき3つのポイント

ポイント①:モノグルタミン酸型葉酸が400μg以上含まれているか

葉酸サプリを選ぶ際に最初に確認したいのが、葉酸の「形態」と「含有量」です。

厚生労働省が推奨しているのは「モノグルタミン酸型(プテロイルモノグルタミン酸型)」の葉酸をサプリメントから400μg摂取すること。成分表示を確認し、葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)400μg以上が配合されているものを選びましょう。

ポイント②:無添加・安全性の高い原料を使用しているか

妊活中・妊娠中は口に入れるものへの安全性が特に重要です。以下の点を確認しましょう。

  • 合成着色料・香料・保存料が無添加
  • 遺伝子組み換え原料不使用
  • 第三者機関による品質検査を実施しているか
  • GMP認定工場で製造されているか

ポイント③:葉酸以外の栄養素も補えるか

妊活〜妊娠中は葉酸だけでなく、以下の栄養素も不足しがちです。

  • 鉄分:胎盤や赤血球の形成、貧血予防
  • カルシウム:赤ちゃんの骨・歯の形成
  • ビタミンD:カルシウムの吸収促進
  • DHA・EPA:赤ちゃんの脳・神経の発達
  • ビタミンB12:葉酸と協力して赤血球を生成

これらを個別のサプリで補おうとすると費用・手間がかかります。妊活〜妊娠向けに設計された総合サプリメント(マタニティサプリ)を選ぶことで、必要な栄養素をまとめて摂取できます。

よくある疑問Q&A

Q1. 飲み忘れた日があっても大丈夫?

1〜2日飲み忘れたとしても、過度に心配する必要はありません。

翌日に2倍量を飲むのではなく、いつも通りの量を継続することが大切です。

飲み忘れを防ぐコツは「習慣化」することです。毎朝の歯磨き後、朝食後、スキンケアのタイミングなど、毎日必ず行う行動とセットにしておくと忘れにくくなります。

葉酸の摂り過ぎは危険?上限量は?

サプリメントの飲み過ぎは注意

葉酸は水溶性ビタミンのため、過剰分は基本的に尿として排出されます。しかし、サプリメント由来の葉酸(モノグルタミン酸型)を過剰摂取すると、神経障害のリスクが指摘されています。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人女性(18歳以上)のサプリメント由来葉酸の耐容上限量は1日1000μgとされています。通常のマタニティサプリ1〜2粒の摂取量であれば超えることはまずありませんが、複数のサプリを重ね飲みする場合は合計量に注意してください。

パートナー(男性)も葉酸を摂るべき?

男性も葉酸摂取がおすすめです。

近年の研究で、男性の葉酸摂取不足が精子のDNA損傷(染色体異常)と関連する可能性が報告されています。
葉酸はDNA合成に関わるビタミンであるため、精子の品質にも影響を与える可能性があるのです。

妊活中のカップルであれば、パートナーも葉酸を意識することは決してムダではありません。
男性向けの妊活サプリや、コエンザイムQ10・亜鉛・L-カルニチンなども一緒に取り入れると、総合的な妊活サポートになります。

葉酸サプリを飲むのは妊娠12週まで?やめていい?

妊娠中期以降も葉酸は大切です。

妊娠12週以降は神経管形成は完了しますが、葉酸の必要性がなくなるわけではありません。妊娠中〜産後・授乳中を通じて、葉酸は継続的に必要な栄養素です。

ただし、妊娠中期以降は必要量が変わるため、サプリの種類を「妊娠中期〜後期向け」や「産後・授乳向け」に切り替えることを検討してみてください。

双子・多胎妊娠の場合は量が違う?

双子・多胎妊娠の場合は、赤ちゃんの数だけ葉酸の需要が増加します。

必要な摂取量が変わる可能性がありますので、必ず担当の産婦人科医・助産師に確認してください。

葉酸サプリは食前と食後、どちらで飲むのがいい?

おすすめは食後や食間

葉酸(水溶性ビタミン)は食前・食後どちらでも吸収に大きな差はありません。ただし、空腹時に飲むと胃腸が敏感な方は気持ち悪くなることがあります。特につわりがある時期は食後や食間に飲むと安心です

まとめ|葉酸サプリは「今日から」始めよう

この記事のまとめ
  • 妊活を始めたその日から葉酸サプリを飲み始める(理想は妊娠3ヶ月以上前)
  • 妊娠が判明したら、まだ飲んでいなければ今すぐ開始する
  • 妊娠初期〜中後期〜産後・授乳中まで継続して摂取する
  • サプリはモノグルタミン酸型葉酸400μg以上配合のものを選ぶ
  • 食事でも葉酸を多く含む食品(緑黄色野菜・豆類・レバーなど)を積極的に摂る
  • 上限量(1000μg/日)を超えないよう、重ね飲みに注意する

葉酸は、赤ちゃんの健やかな発育を守るために欠かせない栄養素です。「まだ妊娠していないから…」「妊娠してから考えよう…」と先送りにするのではなく、妊娠を意識し始めた今日から始めることが、赤ちゃんへの最初のプレゼントになります。

葉酸サプリ選びに迷っている方へ 当サイトでは助産師の視点から、妊活〜妊娠中の方に本当におすすめできる葉酸サプリを成分・価格・飲みやすさで徹底比較しています。ぜひ合わせてご覧ください。

参考文献・監修情報

  • 厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」(2000年)
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
  • 日本産婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン―産科編2020」
  • WHO「Guideline: Daily iron and folic acid supplementation in pregnant women」
  • MRC Vitamin Study Research Group, Lancet, 1991
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次